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「役立つ商品であり、喜ばれる商品であれ」

重久政純

語り手
重久 政純福山酢醸造株式会社 5代目 代表取締役会長

世界でも類を見ない露天かめ壺仕込みの黒酢生産地として知られる鹿児島県霧島市福山町。
昨今の健康食ブームで、福山の黒酢は全国的に有名だ。

「ヤマシゲ」の福山酢として知られ、200年にわたって伝統の製法を守り抜いている
福山酢醸造株式会社の商品は、味のプロである飲食業界にファンが多い。

江戸時代創業と言われる老舗がいかにして続いて来たのか。そして目指す未来とは?
5代目の重久政純会長に、富士ゼロックス鹿児島株式会社前社長で現顧問の嶋田光邦氏が聞いた。

立つ商品であり、喜ばれる商品であれ
鹿児島県の企業の後輩経営者の方にぜひメッセージをいただけないでしょうか。
重久会長 長年お酢を造り続けてきたことで話しますと、やはり商品づくりの根底にあるのは、世の中で役に立つ商品であるか、喜ばれる商品であるかです。それが基本です。いつの時代も一緒です。
そして、新しいものをどんどん造り続けていかなければならないです。新しい企業に脱皮していかないといけません。昔からこの方法でやっているから、うちはこのままでいいんだ、では駄目。30年しかもたない企業になります。
この郷土・鹿児島の未来の人たちに伝えておきたいことはあるでしょうか。
重久会長 人間は必ず壁にぶつかります。壁をものともせずに、ぶつかっていく精神を持ってほしいです。ただ、今の人たちは壁があったら乗り越えようとしません、押し倒そうとしません。
今の鹿児島は全国で先頭集団の県ではありません。所得にしても教育も、低いレベルです。教育が一番大事ですが、昔は教育が一番盛んなのは長野県で、その次が鹿児島県でした。その名残が今はありません。寂しい限りです。
鹿児島にはお茶、カツオ、うなぎ、芋など生産量日本一が12品目ある。
すごいと思うのですが。
重久会長 それは昔の人たちが、教育も頑張り、仕事も頑張って資金をつくりながら、今につないできたわけです。
これから自分たちで日本一になれる商品づくりができるかどうかですが、今、そういう取り組みはないですよね。いまだにお茶であったり、鰹節であったり。それは、きのう今日できた日本一のものではないですよね。

例えば、京セラの稲盛和夫さんは、今の鹿児島出身者では非常にまれな人物です。鹿児島は新しい事を起こすことが、かつてはできた県だったんです。
新しい事を起こすことが、これからは必要でしょうね。自分たちで、1番をつくり出してほしいです。ぜひ、それはやってほしいなと思います。
本当にいいご指摘を。私も、もう62歳なんですけど、頑張ります!
重久嶋田

さつま伝承をつくるにあたり

きっかけは偶然ですが、素晴らしい内容になる気配を感じましたので「薩摩の地で営む経営者に向けてメッセージ」「薩摩、鹿児島そしてこの郷土に伝えたいこと」を語り手の皆々様からメッセージとしていただくことにしました。
更新は不定期ですが、貴重なお時間を割いていただき語り手に語っていただいています。ご期待下さい。
聞き手である富士ゼロックス鹿児島株式会社嶋田光邦氏は2013年7月から懇意にさせていただき、経営者として未熟な私を、日夜叱咤激励して下さいます。
このさつま伝承プロジェクトを遂行するにあたり、かけがえのない偉大な先輩であり、親父であり、兄弟であり、親友であるといえる嶋田光邦様に深謝します。

2015.10.20
株式会社エージェントプラス
橋口 洋和