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「鹿児島人には、“ぼっけもん”のDNAがある。さあ、勇気をもって、世界に飛び出して!」

門田 晶子

語り手
門田 晶子 合同会社 Go! Kagoshima 代表

鹿児島弁で、勇敢、恐れない、という意味の「ぼっけもん」。
門田晶子さんは、まさに「ぼっけもん」だ。
高校1年の15歳で渡米、通算21年間アメリカで過ごし、テレビ局に就職して管理職も務める。2006年の帰国後は、祖父が創業した渕上印刷株式会社に入り、社長として会社の舵取り役に。鹿児島では数少ない女性経営者として2010年から2016年までトップを担った後、家業を離れ、次の人生のステージに進む。
今、故郷と世界をつなげる架け橋になりたいと、「Go! Kagoshima」という会社を立ち上げ、鹿児島の企業の海外進出の手助けをしている。
門田さんは48歳の今も、少女時代の気持ちそのままに、恐れず、勇気を持って前進していく。そんな「ぼっけもん」な彼女が、故郷の未来に届けたいメッセージ。富士ゼロックス鹿児島元社長で、現在は企業のマーケティングの指導などに携わる嶋田光邦氏が聞いた。


鹿児島の人に、もっと可能性を増やしてもらいたい
ところで、「渕上印刷」と「Go! Kagoshima」のつながりが見えないのですが?
門田さん 「Go! Kagoshima」はもともと、渕上印刷の社内事業としてやりたかったんです。でも「渕上印刷でやるべきことなのか」という意見が出て、別会社、別採算でやるべきかも、と考えたんです。父からも「晶子は本業をほったらかしにして、(Go! Kagoshimaに)注力するだろうから、別会社にすべきだ」と言われ、それはそうだなと素直に思えて。例えば、印刷会社で必要な翻訳の仕事だと、今までのしがらみもあって、価格設定は難しくなります。完全に別会社としてゼロから起業すれば、適正価格でお客様とゼロから信頼関係を築き上げていけると思うんです。
私が渕上印刷で10年間取り組んできたことの一番は、「会社の顔」になることでした。地元の経営者とのネットワーク、信頼関係を築くことを、最もがんばってきました。渕上印刷の顔を急になくすことに正直心配はあったのですが、次の人に託そうと決断しました。
門田 晶子
「Go! Kagoshima」の理念は、どんなものなのでしょうか?
門田さん スローガンは、「鹿児島と世界をつなげる」。私たちは、企業の海外ビジネスをお手伝いする会社です。(幕末に命がけで密航して英国に旅立った)薩摩スチューデントみたいに果敢に世界に出て、チャレンジの場を鹿児島県内から世界に広げましょうよ、と。
海外展開しようと思っても、コミュニケーションが妨げになっています。言葉ができれば、国境などどうでもいい話。誇れる良いものを持っているのに、その良さを伝えることができないために、日本語圏内だけでしか活動できないなんてもったいない。私たちがお手伝いしますから、世界に打ってでましょうよとご提案しています。
例えば、海外での商談や交渉ごとの英語アシスト、海外からの企業視察の対応やアテンド、学会での英語プレゼンテーションのコーチングなども提供しています。ただ、私たちは通訳や翻訳の会社であろうとは思いません。ビジネスに特化したコミュニケーションの会社として、海外とかかわる現場で力を発揮してきたいと考えています。
鹿児島でも海外に打って出ないと、という人は多い。
背中を押してくれる誰かがいれば、羽ばたけると思います。
「Go! Kagoshima」のこれからが楽しみですね。
門田 晶子
門田さん チャレンジすることを重んじるようになってほしいですね。誰かが「やろう!」と言わないと。私たちの仕事は、世界とのつなぎ役。社名が「Go! Kagoshima」だからといって、福岡や東京の仕事をしないわけではありませんが、「Kagoshima」は、この土地が好きだという意思表示なんです。鹿児島の人に、もっと可能性を増やしてもらいたいという思いがあります。
私ももう少し鹿児島にいますので、何か機会があれば、つてもあるので利用してください。
ただ、初めてのことは、石橋を壊すくらいたたいて、渡られる方も多いです。
門田さん 嶋田さん、心強いお言葉、ありがとうございます!せっかく若い世代が海外展開に興味を持っていても、石橋をたたく経営者たちが弊害になっているなと感じてしまいます。

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さつま伝承をつくるにあたり

きっかけは偶然ですが、素晴らしい内容になる気配を感じましたので「薩摩の地で営む経営者に向けてメッセージ」「薩摩、鹿児島そしてこの郷土に伝えたいこと」を語り手の皆々様からメッセージとしていただくことにしました。
更新は不定期ですが、貴重なお時間を割いていただき語り手に語っていただいています。ご期待下さい。
聞き手である富士ゼロックス鹿児島株式会社嶋田光邦氏は2013年7月から懇意にさせていただき、経営者として未熟な私を、日夜叱咤激励して下さいます。
このさつま伝承プロジェクトを遂行するにあたり、かけがえのない偉大な先輩であり、親父であり、兄弟であり、親友であるといえる嶋田光邦様に深謝します。

2015.10.20
株式会社エージェントプラス
橋口 洋和